近年注目のファッションブランドCELINE(セリーヌ)
なぜ人気なのか?
エディ・スリマンとは?
フィビー・ファイロとは?
ブランドを取り巻く環境が激変している背景は?
ブランドの歴史、コレクションの特徴、方向性をお伝えします。
CELINE(セリーヌ)歴史
CELINE(セリーヌ)創成期
1945年 フランス パリにて女性実業家のセリーヌ・ヴィピアナが興したブランドです。
当初は高級子供靴に特化した製造販売をしており、パリの上流階級では大変に評判のよい子供靴ブランドでした。
この時のお客さんである子供たちの成長に合わせて創業14年後には婦人靴、婦人服、バックなどの製造も始めて行きます。
CELINE(セリーヌ)成長と低迷期
ハンドバック製造を始めた60年代後半には馬車の柄や馬車の金具をモチーフにしたバックを展開し、一躍フランスの高級ブランドへと成長して行きます。
しかし80年代には次第に時代遅れの過去のブランドとなり、高齢層向けブランドとして認知されるようなり、人気が低迷します。
CELINE(セリーヌ)復活期
そんな中1987年実業家ベルナール・アルノー氏率いるアガッシュ社(現LVMHグループ)に買収されます。
アルノー氏の手腕もあり、組織改革や企画改革を行い再び高級ブランドの地位を築いていきます。
1998年には当時ニューヨークで頭角を現していたマイケル・コースをデザイナーへ採用し、キャリアウーマンの注目となる機能的かつ美しいシルエットのコレクションを展開しました。
CELINE(セリーヌ)成熟期と変換期
2008年からはクロエのデザイナーであったフィービー・ファイロをデザイナーに採用します。
フィービーはクロエ在職時からパティントンなど象徴的なハンドバックを世に出し、セリーヌでは「ラゲージシーリーズ」、「クラシックボックス」など働く女性の憧れのバックを作成してきました。
そして、2018年にフィービー・ファイロが惜しまれながら退任し、
2019年よりエディ・スリマンがデザイナーに就任しました。
エディ・スリマンと言えばDIOR HOMME やSAINT LAURENT で一貫してロックスタイルを続けてきたデザイナーでメンズがこれまでなかったCELINEのデザイナーへの就任は世界に驚きを与えました。
CELINE(セリーヌ)コレクションの特徴
CELINE(セリーヌ)のコレクションはそのデザイナーによって大きくイメージが異なります。
近年の働く女性の憧れの高級ブランドのイメージを確立した:フィービー・ファイロ期(2008年~2018年)
70年代パリジャンのルックにロックテイストをミックスさせ反逆的なイメージを打ち出した:エディ・スリマン期(2019年~現在)
では全く違うブランドのような印象を受けます。
これは近年、ファッションデザイナー自身のアイコン化が進み、特にカリスマ的人気を持つデザイナーには大金を払ってブランドへ招へいし、ブランドをそのデザイナーの色に染めて行くという手法が流行しているためです。
こうしたブランド伝統軽視の姿勢に反発し、決して大規模資本家グループの傘下にならないようにしてるHERMES などは行き過ぎたデザイナー中心のブランド運営に警笛を鳴らしている存在と言えるかもしれません。
フィービー・ファイロ
2001年、ステラ・マッカートニーの後任として、24歳の若さで『クロエ(Chloé)』のクリエイティブ・ディレクターに就任するまでは、ほとんど無名の存在だったフィービー・ファイロ(Phoebe Philo)。2006年1月、生まれたばかりの娘とゆっくり過ごす時間が欲しいとして、『クロエ』のクリエイティブ・ディレクターを辞任。2008〜2018年の10年間にわたり、セリーヌのクリエイティブ・ディレクターを務めた。
VOGUE JAPAN
エディ・スリマン
(Hedi Slimane, 1968年7月5日[1] – )は、フランス出身のファッションデザイナー。20世紀終盤頃から21世紀初頭にかけてのファッションブランド「イヴ・サン=ローラン」・「ディオール・オム」及び2012年から2016年にかけてのSAINT LAURENT PARISのクリエイティブディレクターとしての活動が最も広く知られている
WIKIPEDIA
CELINE(セリーヌ)エディ・スリマン使用素材特徴
エディの使用テキスタイルの特徴としては黒やレザーをベースにコンパクトで組織感のある素材を好む傾向にある。
ヴィンテージテイストも好きで、これはエディが好んで住んでいるロスアンゼルスの影響があると思われる。
全体的にはウール高密度のギャバジン、メルトンなどが多く見られる。
また、トラディショナルなヘリンボーンやグレンチェックのブリティッシュツィードなども多用している。
CELINE(セリーヌ)まとめ
パリの高級子供靴ブランドからスタートし、徐々に婦人靴、婦人服、バックへと幅を広げ、高級ブランドとしての地位を築いてきたCELINE はベルナール・アルノー氏の買収によって大きく運命が変わりました。
巨大資本の中でのブランディングによりその時代に合わせたデザイナーの起用や変革を巻き起こし、今では馬車モチーフのバックのイメージからは大きく変わっています。
今後もエディ・スリマンとアルノー氏の動向によりその運命はまた大きく動いていくと思われます。
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