新しいライフスタイルブランドとして大注目のGRAPHPAPER。
どのようなブランドであるのか?
最新の商品の特徴など解説致します。
GRAPHPAPER(グラフペイパー)とは?その歴史
GRAPHPAPER はプロデューサーの南貴之が2015年にスタートしたセレクトショップです。
南貴之の経歴としましては、
1996年にH.P.FRANCE 社に入社しキャリアをスタートします。H.P.FRANCEでは「CANNABIS」「FACTORY」「SLEEPING FOREST」などのブランド立上げ、ディレクションを行います。
2008年H.P.FRANCE を退社後ALPHAを設立します。
セレクトショップ「1LDK」の外部ディレクターとして店舗プロデュースを行い、1LDKのプロデュースを行い、躍進に大きな役割を果たします。
2013年株式会社ALPHAを設立し、ショップディレクション、ブランドコンサル等のプロデュース業を中心に活躍して行きます。
そして2015年にギャラリーとしての機能を持ったセレクトショップGRAPHPAPER をスタートし現在に至ります。
GRAPHPAPER(グラフペイパー)とは?特徴
GRAPHPAPER の特徴として、
1、服だけではない総合的なライフスタイルの提案型SHOPであるという事
2、現代アートギャラリーを意識した店舗
3、素材へのこだわり
があげられます。
店舗プロデュースに長けた創業者の南貴之がすべて監修しているだけあり、下の青山店の空間はアパレルのセレクトショップではなくアートギャラリーと化しています。
ホームページにも店舗にかけるこだわりが下記に用に明記されており、アートに造詣の深い南貴之の想いが詰まった店舗となっています。
ギャラリーとしての機能を持つキュレーション型のセレクトショップ
インディペンデント•キュレーターとして、国際現代美術展の変容を先取りしたハラルド・ゼーマンの”レギュレーションに縛られない姿勢”をヒントに、時代や部類を超え、全てを作品として捉え、ギャラリーで展示するように並べることを目的としています。
全てを並列化するためのシンメトリーな空間には、壁面に黒いキャンバスを黄金比で配置し、そのキャンバスを手前に引くことにより、作品が存在する仕組みとなっています。キャンバスに作品をおさめたのは、空間自体を作品とし、余計な視覚的要素を排除することが目的です。
ハラルド・ゼーマンとは
(Harald Szeemann /11 June 1933 – 18 February 2005)
ハラルド・ゼーマンは1969年にクンストハ ル• ベルンで開催した“WHEN ATTITUDES BECOME FORM ” – 態度がかたちになるとき- という展覧会において、それ以前の展覧会の在り方を覆し、ヨーロッパやアメリカの作家をほぼ均等に扱いました。作家との連繋のもと、同時代の美術を独創的な切り口で表現するゼーマンの姿勢は、所蔵品の管理や保存、作品の歴史的検証に従事する美術館学会員という従来の職業形態からの転換を示すものであり、それはキュレーションの方法論において革命的なことでした。その後の新たな美術動向が、大陸を跨ぐ同時多発的な現象であることを印象付けた人物です。
https://graphpaper-tokyo.com/about/
GRAPHPAPER(グラフペイパー)とは?商品特徴
ボタンダウンシャツ
THOMAS MASON社(イングランド)に別注し、オリジナルカラーのブロード生地を製作。定番のボックスシルエットのロングスリーブシャツはアメリカのクラシックなボタンダウンを研究しGraphpaperのオリジナルバランスを追求。イギリスの文化とアメリカの文化を融合させたモデル。
https://graphpaper-store.com/
THOMAS MAISON社とは1796年に設立されたイギリスの老舗生地メーカーになります。
当時の最高級品質と称された生地はイギリス貴族のためにロンドン仕立て屋で使用されていました。
その後大英帝国の発展とともに1800年代には世界中に高級シャツ地として輸出するようになります。しかし、1900年代の2度の世界大戦でイギリス経済は疲弊して行きました。
1991年にはこちらもイタリア ベルガモの老舗シャツメーカーALBINI社に買収され現在ではトーマスメイソンはイタリア製の生地となっています。
特徴としては綿の中でも貴重な超長綿(繊維長が35mm以上のコットン)を使用し、120/-や100/-と言った細い番手のドレスシャツを得意とするメーカーです。
よってこのシャツは高級超長綿使いのドレスシャツ用素材に別注カラーを付け、アメリカ文化であるボタンダウンシャツを現代風にボックスシルエットにしたシャツということです。
製品染めショップコート
高圧での製品染めによるパッカリングが立体感を与え、羽織った際の存在感を演出するショップコート。Graphpaperのブランドスタート時に展開されていて、その名の通り当時は店舗スタッフのユニフォームとして着用されていた”ブランドの原点” 。数シーズン展開されていなかったが、先シーズンから復刻。単純な復刻ではなく、着丈やアームホールなど細かなサイズバランスを修正し、今Graphpaperが提案したい定番へとアップデートされたモデル。
https://graphpaper-store.com/
製品染めとは、この手法は普通ならば
生地を織り→染色・仕上げ→縫製という工程で製品を作るところを
生地を染色前の下晒加工をした状態で染めていないものを先に縫製し、製品の状態で染める手法となります。
この手法のおかげで程よい馴染み感が製品に出ます。
これは縫製後の裏地と表地、縫製糸などの縮率がそれぞれ違うため、製品で染色加工することにより縮みが出てなじんだ表現となるからです。
しかし、この手法はそれぞれの使用生地の染色後の縮率管理が難しく、間違えると丈や袖が異常に短いものになったりデザイナーの最終製品形態のイメージと違うものになってしまいます。
よって多くのアパレルでは管理が難しいため製品染めをやりたくても出来ないところが多いです。
ウールビックスリーブコート
カシミアにも劣らないなめらかな風合いの良質なウール原料をシャトル繊機で丁寧に織り上げた、しなやかで弾力性のあるオリジナルのウール素材。極端に大きく設計したスリーブが特徴的なオーバーサイズコート。
https://graphpaper-store.com/?pid=153010218
サイトには明記されていませんが、良質なウール原料とはウールの繊維が細いものです。特に18.5ミクロン以下のものはスーパー原料と呼ばれ、糸値も通常のウールよりも上がっていきます。カシミアのミクロン数は14~16ミクロンですので、SUPER 140 (16.5ミクロン)クラスの原料を使用しているのではないかと推測されます。
ウールの原料の解説は下記AURELEEの記事でも解説しております。
三重織シェフパンツ
平織と綾織を組み合わせた超高密度の三重織り素材によるシェフパンツ。独特な光沢感と反発力が特徴でシワになりにくい。ウエストのサイズを自在に変えられ、シルエットもアレンジできるフリーサイズ仕様。フランスのシェフパンツをベースにしてつくられたタック入りのワイドパンツ。
https://graphpaper-store.com/?pid=152991889
三重織とは織組織が3つ重なり合わさって出来た織物です。
高密度で二重織や三重織を織りあげることは非常に難しく、いまでは日本の泉州地域の一部機屋さんしか高密度三重織が出来ないため、泉州地区の生機ではないかと思います。
多重構造となるため弾力感がでてシワになりにくいことが特徴です。また、生地に厚みがあるためワイドパンツなどのシルエットに合う生地だと思います。
シャトル織機 ウールジャケット
旧式のシャトル織機で丁寧に織り上げたオリジナルのウールギャバジン生地。特殊加工で表面をナイロンのようなクリアな質感に仕上げている。クラッシックな3つ釦で段返りのボックスシルエット。
https://graphpaper-store.com/?pid=115706783
旧式シャトル織機とは?
織物を織る際、ヨコ糸をシャトル(下記画像参照)という装置に載せて移動させ織って行く手法の事。
緯糸を空気で飛ばすエアー織機、レピアと呼ばれる装置が摘まんで移動させるレピア織機よりも織スピードが遅く、非効率であるが、その分生地に膨らみがあるものが出来る。シャトルを飛ばせる距離が限られているため生地幅が狭いものが多い。
また、左右端でヨコ糸が繰返し折り返して織っていくため耳付きの織ネームが生地の端に作成可能である。
また、特殊加工で生地の表面をナイロンのようなクリアな質感にしているということは
恐らくオフスケール加工をしていると思われます。
オフスケール加工とは?
ウールは顕微鏡でみるとスケールと呼ばれるうろこ状のもので表面を覆われています
これはウールが生き物からとれたものであり、優れた作用として
1、水、油を弾く。
2、湿度を取り入れ、放出する調整作用がる。
3、保温機能がある。
と言った特徴があります。このため登山家などに話を聞くと、日中汗をかき、夜は氷点下となる極限の登山条件で好まれるインナーはウール100%のインナーであると言います。これは他の繊維に比べて汗を吸ってもすぐ放出し、保温機能が高いためです。
さてオフスケール加工はこの表面のスケールを薬剤で溶かしてウールが水分を吸収しなくする加工ということです。これにより、洗濯時の縮み率が制限出来るのでウォッシャブルな製品として使用することが出来ます。
スビンゴールド カーディガン
インドの最高級綿”SUVIN GOLD”を使用し14ゲージで編まれたニット。糸が持つ上品な光沢と十分な油脂分による滑らかな肌触りが特徴。Graphpaperらしいビックサイズのカーディガン。
https://graphpaper-store.com/?pid=139379933
SUVIN GOLD とは?
まずコットンに関して、
コットンは繊維長の長さで3種類あります。
繊維長の長い長繊維種(30mm以上)
繊維長の中くらい中繊維種(20mm~28mm)
繊維長の短い短繊維種 (10mm-20mm)
繊維長が長いほうが高級とされ綿の品種と土壌、気候によって左右されます。繊維長が35mm以上のものを「超長綿」と呼び、綿の中でトップクラスの繊維長から来る柔らかさ、光沢があります。
この繊維長の差により、同じコットン100%でも風合いに大きく差が出ます。
そしてそんな超長綿のなかでスビン綿とは、
インド南部の限られた農家で栽培されている綿花で、在来種であるスジャータ綿と、有名なシーアイランドコットンを掛け合わせて生まれたものです。
またスビンコットンのなかでも収穫の際の1番摘み2番摘みだけを「スビンゴールド」と呼ばれインド産コットンの最高級希少種として知られています。
コットンに関する記事が下記参照ください。
以上、今回は注目のGRAPHPAPER に関して解説致しました。また、AWの店頭をチェックしてお伝えいたします。
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