
日本でもスーパー、コンビニなどでレジ袋有料化となりました。これは地球環境問題への取組の一環で環境省が主導し、プラスチック製品作成により生じるCO2 削減、海や河川などのプラスチックごみ削減などを国際協力として推進していくためです。
すでにヨーロッパ、アメリカなどプラスチック削減に向けた取り組みは進んでおり、サンフランシスコ空港ではペットボトルの使用禁止などサステナブル(持続可能)社会へ向けた取り組みが進んでいます。
この流れはファッション業界へも浸透しており、ヨーロッパ、アメリカ大手ブランドを中心にサステナブル素材の使用と企業としての環境保全への取り組みは必要不可欠な活動として認識されています。この流れは当然日本も無視できません。私たちに必要なことはきちんとサステナブルな素材や活動を理解し、商品選択の際の共通認識として行くことかと思います。
ただ、オーガニックコットン、リサイクルナイロン、リサイクルポリエステルなどの素材特性を理解すること、またどのようなファッションブランドがどのような取り組みをしているかなどは一般向け情報が少なく、分かりにくいため分かり易く噛み砕いてお伝えいたします。
リサイクルナイロンとは?ナイロンとポリエステルの違い
まずナイロンとポリエステルの違いはご存じでしょうか?
どちらも石油から出来ています。石油に対して熱などの作用を加えることで分子構造を変えて行く(重合)ことを行い、精製してチップ上にして行きます。この時作られたチップの分子結合の種類によりポリエステルやナイロンが分かれます。
ポリエステルとナイロンを比べた時の特徴としてナイロンは下記のような特徴があります。
- 熱に弱い
- 摩擦に強い
- 軽い
- 収縮性が良い
- 吸湿性がある
上記のような特徴からナイロンが適したアイテムは下記のようになります。
- バック
- アウターウェア
また、ポリエステルが適したアイテムは下記のようになります。
- 速乾インナーウェア
- 防火カーテン
よって登山などに行く際、皆様の準備する速乾性の高いインナーウェアはポリエステルが使われている可能性が高く、逆にアウターウェアとしては摩擦に強いナイロンが使われている物が多いです。テントなども軽くて摩擦に強いナイロンのものが多いと思います。このように考えると両者の特性が分かり易いかと思います。
リサイクルナイロンとは?リサイクルナイロン2つの作成法
リサイクルナイロンと聞いてどのようにイメージされるでしょうか?ペットボトルからの再利用と考えるかもしれませんが、ペットボトルはポリエステルであり、ナイロンではありません。
ナイロンには下記2つのリサイクルナイロン作成法があります。
- プレコンシューマーリサイクルナイロン
- ポストコンシューマーリサイクルナイロン
プレコンシューマーとはプレ(以前)+コンシューマー(消費者)という意味で消費者へ届く前の完成品作成時にでは廃棄ロスを使用します。定義としては
「製造工程における廃棄物の流れから取り出された材料。その発生と同一の工程で再使用できる加工不適合品、研磨不適合品、スクラップなどの再利用を除く。」
JIS 規格Q14021
つまり、ナイロンの紡績工程などで出たロスを再利用し再びナイロン糸を作るものがプレコンシューマーリサイクルナイロンです。
一方ポストコンシューマーリサイクルナイロンとはポスト(以後)+コンシューマー(消費者)なのでいったん世に出た製品を回収して再利用することになります。定義としては
「家庭から排出される材料、または製品のエンドユーザとしての商業施設、工業施設及び各種施設から本来の目的のためにはもはや使用できなくなった製品として発生する材料。これには、流通経路から戻される材料を含む。」
JIS 規格Q14021
ただ、ナイロンの製品を回収して再利用といっても、洋服などの製品では付属や裏地などナイロン以外の成分も多くそのような製品から純度の高いナイロンを取り出すことが非常に難しく、コストもかかるため現在では現実的ではありません。ではどうしているかというと、海に放置されている無数の漁網を回収し、浄化し再利用しています。
これはイタリアのAQUAFIL 社がECONYL(エコニール)という糸ブランドを立ち上げて取り組んでいます。
ECONYL(エコニール)の特徴として
- 漁網や海洋プラスチックごみ、繊維廃棄物などを回収&リサイクルして作られているため、海のプラスチックゴミ問題に貢献している。
- リサイクル素材であるため、原油など新たな資源を消費せずに作ることができ、水やエネルギーの消費量も通常のバージンナイロンより少ない。
- これまでのナイロンより50%ほどCO2の排出を減らすことができる。
ただ当然漁網の回収費用などの経費が掛かりますので、現状大規模な供給は難しく、取り組めるブランドと決められた数量を計画的に供給しているというかたちのようです。ECONYLを使用しているブランドとしてPRADA(バック素材) 、STELLAMACCARTNEY、バーバリーなどが取り入れています。
リサイクルナイロンとは?通常のナイロンとリサイクルナイロンを見分けるには?
さて、リサイクルナイロンが環境に良いのは分かったけど、どうしたらリサイクルナイロンを使用している商品だと見分けることが出来るの?
こういった疑問が出るかと思いますが、見分けるためには認証機関のお墨付きがあるかどうかが重要になります。現在リサイクルナイロンに関して、紡績、織布、染色・加工、貿易の流通経路を審査し認証を与えているのはCONTROL UNION社が管理しているGRS(GROBAL RECYCLE STANDARD) の証明がとれているかどうかが重要となります。
GRS は、リサイクル含有物、加工流通過程管理、社会および環境慣行、および化学規制の第三者認証の要件を設定する、国際的で自発的な完全製品基準です。 GRS は製品 (完成品および中間品) のリサイクル含有物を検証し、生産で責任ある社会的、環境的、化学的慣行を検証しようとする企業のニーズに対応します。
CONTROL UNION
単一の工場が認証を取ればよいということではなく、商品リサイクル含有率や染色工程の使用薬品、労働環境などの基準を満たす必要があり、消費者サイドから見ると正しく審査された生産背景での商品作成の証明となっています。下記ロゴのタグがが目印です。

リサイクルナイロンとは?リサイクルナイロンを使用しているブランド
最後にリサイクルナイロンを積極的に使用しているブランドをまとめます。
パタゴニア
パタゴニア(Patagonia )とは、アメリカの登山用品、サーフィン用品、アウトドア用品、軍用品、衣料品の製造販売を手掛けるメーカー、及びそのブランド名。環境に配慮する商品で知られており、環境問題に取り組むグループの助成を行っている
WIKIPEDIA
パタゴニアのナイロン製品の多くにはリサイクルナイロンが使われています。ポリエスている商品も積極的にリサイクルポリエステルを使用しており、上述のGRS 認証タグもよく見受けられると思いますので是非店頭でご確認ください。
ステラマッカートニー
ブランド立上げからレザーやファーを一切使わず、動物愛護や環境保全に取り組んでいるブランドです。ECONYLのポストコンシューマーナイロンをバッグに使用するなど、トレーサビリティーやサステナビリティーにこだわりを持ちブランド運営をしています。
バーバリー
こちらもECONYLのリサイクルナイロンを使用しています。また環境、人体に配慮しアウターウェアに使われる撥水材を一早くフッ素フリーに切り替えるなど、規模の大きなファッションアパレルとしてダイナミックにサステナブルへ舵を切っています。コットンはトレサビリティーを意識してBCIコットンを使用、ポリエステル素材も積極的にリサイクルポリエステルを使用しています。
以上リサイクルナイロンの特徴をアパレルのプロダクトを交えてご紹介致しました。皆様の商品選定の際のお役に立てればと思います。
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